



宇佐神 まず、都南さんの教習所としての考え方をお聞かせいただけますか?
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 中山社長 |
中山社長 これからの教習所は、ただ車の運転技術や道路交通法を教えるということではなくて本当の教育をしなければいけないと思っています。
「免許を買いに行く」「免許なんて安く早く取れればいい」という受講側の意識を変え、教える側も「カリキュラムを消化させる」という意識を改め、教習生一人ひとりの特徴、個性に合わせて、運転行動を教育していかなければならないと思います。運転免許は一生の資格ですからね。
宇佐神 しっかりとしたコンセプトに基づいた運営を行っているのですね。
中山社長 今回のリニューアルにあたっても、「きれいな教習所だな」とだけ思われる環境ではなく、"教育を行う場"であるというメッセージを教習生に訴えられる環境を作りたかったのです。
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宇佐神 リニューアル後の反応はどうですか?
中山社長 最近は、卒業生のアンケートで「都南自動車教習所、あそこへ行くと教え込んでくれるよ――ただ免許を取らせてくれるんじゃなくて、運転を教え込んでくれる」という評判を聞いて来ましたという声が出てきています。あと、「教習所がこんなステキなところだと思いませんでした」という若い女性の方とか。そういった声が、かなり増えてきました。
今までは、指導員さんが楽しかったとかおもしろかったとか、お世話になりましたとか、そういう内容だったのですが、そのへんがちょっと違ってきていますね。いい反応です。
宇佐神 それはこちらとしても大変嬉しいです。
中山社長 そうなんです。 "教習所は教育機関であり、何度でも通って安全運転を学ぶところ"というメッセージが具現化された教習所ができたと思います。
宇佐神 免許を取得できればそれで終わりということではないんですね。
中山社長 例えば18歳ぐらいで免許を取ったとすると、飲酒の経験ってないじゃありませんか。その人たちに、飲酒運転はいけないよって教えて、それでおしまいなんですよね。あとは飲酒の年齢に達して高齢者までの何年間となんにも教えないんです。
だから、その空白の年月をどうするのか。何度でも教習所に来ていただいて、そのへんのことを勉強してもらいたい。
そのためには、教習所のイメージを変えていかなければいけない。
やはりカリキュラムを取得するところ、ではなく学ぶところというイメージへ変わらなければなりませんね。
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宇佐神 続いてリニューアルの際のエピソードについてお伺いしたいと思います。
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 エントランス
 指導員スペース
 待合スペース
 受付カウンター
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中山社長 ヒアリングに来て頂いたときに宇佐神さんに「社長は社員のことを大切にしていませんね」と言われたときはショックで驚いたことを覚えています。
宇佐神 リニューアルにあたって一番大切だと思ったのが、人と人とのコミュニケーションを生む場所です。教官の仕事は教習生をはじめ社内の人々など人と接する仕事。そこに喜びややりがいをもって働くことができなければモチベーションやセルフイメージを上げることは難しい。そこで、「教官室を設け個々の机に座らせておけばいいだろう…ではだめですよ」という意味を込めて、そう申し上げたのです。
中山社長 はい。まさしくその通りですよね。「指導員室はああいう形」というものを、知らず知らずのうちに思い込んでしまっていました。
指導員にとって仕事をするところは車であって、自席は食事をするところだと。だから、指導室はなくて食堂しかないという学校もあったり…。また、インターバルも仕事なんだからお客さんと触れろ、接しろということで、指導室は設けず、外や待合室に出してしまう学校もあるみたいですね。
宇佐神 そうなんですか。
中山社長 それぞれ一つの方法だとは思いますが、こういう形に提案いただいて、うちのコンセプトに見合った環境ができたと思います。こんないい環境で仕事させてもらってるの?と驚かれることによって、指導員も自尊心がくすぐられてセルフイメージが高められているようです。
宇佐神 自分たちが喜んでいないと、お客様を喜ばせようと思ってもできない。自分たちが仕事を楽しんで喜んでいるという状況だと熱と喜びが伝わりますよね。
中山社長 ええ、そうですね。本当にその通りです。私たちは「人と人」の商売ですから。商品がコミュニケーションするのではなくて、やはり人同士のコミュニケーションが大事なのです。
宇佐神 人間、楽しければ来ますよね。
中山社長 はい。そうなんです。ただし、その「楽しい」というのは、指導員が面白かった、雑談が楽しかった。そういうことだけで終わってはいけないと思うんですね。
宇佐神 つまり興味深いということも含めて、楽しい、行きたいと?。
中山社長 ええ、そうです。だから、その喜びですよね。感動させる、喜びを与える。その喜びというのが「できなかったものができる」、習得できた、知らなかったことが知れた、わかったということですね。そういったことで、私たちは教習のあり方というのは、わかりやすい教習、そして「わかった」という喜びを与えたいと、そういう思いを指導員さんには持っていただきたい。
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中山社長 社長さんに来ていただいて、空間を変えて。会社が何を発したいかというコンセプトづくりが出来上がってからは教習のあり方、うちの会社の根幹にかかわる問題についても、どんどん考え方が変わってきています。そして指導員の人たちに、運転だけでなく人生観までもらったというような思いのある教育、つまり心を揺さぶる心の教育をしたいという思いがより一層芽生えていると思います。
これまでもそういう指導を心がけてきましたが、今回のリニューアルでコンセプトが具現化され、目的をはっきり与えていくことができるようになった気がします。
宇佐神 ありがとうございます。
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指導員室について
壁があるというか、入りづらい雰囲気がありました。
今はそういう敷居がなくなり、指導員の人たちとの会話が増えています。あいさつで顔を合わせることも増え、今の形はいいですね。
あと、なんでも何かあったとき、すぐに聞きやすいです。
生徒さんからの質問で、教習の内容で私たちになってしまうとわからないことも、すぐ聞けて対応してもらえます。
今までだったら、隔てられていて若干聞きづらい雰囲気があって、生徒さんに返答するのも時間がかかったりしていました。
ライブラリーについて
ちょっと片付けに行ったりすると、そこにある本の話や、教習とは違う話ができたりして、生徒さんから「この本おもしろいんですよ」と勧められたりします。
そういうことが、うれしいことですね。
受付について
さみしいという感じがなくなりました。以前はせっかく同じところでずっと一緒に働いているのに、「今日だれだれ先生は来ていますか?」と生徒の方に言われても、コンピューターを見てチェックして「ああ今日は来ています」と対応していたりしていましたから。
今だったらもうオープンなので自然に目に入ってきて確認できます。
やはり一緒に働く仲間ですからね。
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サロン式教官スペースについて
以前は席が決まっていて隣の人と話す機会がやはり多く、話が偏ったり、この人としか話をしない、という形が出てきてしまっていました。
現在では、分け隔てなく。そして事務の人ともコミュニケーションが取りやすいですし、配車に関してもやはり打合せとかしやすいですよね。指導員同士でも「今の、乗った教習生の方どうだった?」とか、会話が交わされ、そういう指導上の面でもメリットは多々あると思います。
必要なときに情報交換ができたり、インターネットで調べたり、非常にオンタイムな形なので、現状では非常に充実していると思います。
また、職員同士がコミュニケーションを取れると、表情がやはり変わってきます。そして、その表情でそのまま教習に与える影響って、それは高いと思うんですよ。
家族とコミュニケーションを取って職場に来て、職場でも同じように職員たちとコミュニケーションを取って、生徒さんやお客さんとも取れるという環境は、非常に良い状態だと思いますね。
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