|
|
 |
 |
オフィス環境は、モチベーションアップに不可欠な仕組みの一つである。
まず、なぜ今、モチベーションが重要視されているかということですが、モチベーションが話題になってきたのは、ここ数年ですよね、20〜30年前、世の中が右肩上がりの時代はモチベーションは業績にそんなに直結していなかったんです。どうしたら成功するかの正解があり、それに沿っていれば業績が上がった。ところが、今のビジネスモデルは複雑化していて、同じ製品を作っていても成功する会社と苦戦する会社に分かれる。それは、以前にも増して顧客の要望が高くなり、環境やマーケットの変化のスピードが激しくなったため、誰しもがわからなくなってしまったからです。
『昔は十年ひと昔といっていましたが、今は一年ひと昔なんてものじゃないですからね』
そうなると「正解」を発見し続けることが必要になるのです。正解は基本的にマーケット、顧客の中にあるのですから、より顧客接点が大事になります。その接点にいる社員、一人ひとりが高いモチベーションでいないと、成果を導く行動が組織として取れなくなってしまうのです。
『昔はお客さんが千人いても同じものを数作ればよかった、ところが今は千人いれば千人の要望が出てくるという時代で、それに一つずつ対応していかなくてはならない。いわれたことだけをやればいいという意識の会社だと、すぐダメになってしまう。社員のモチベーションが低かったら、生き残れない時代です』
モチベーションには基本的欲求が関係しているといわれています。これらの心理的欲求が満たされるとモチベーションが上がります。反対に欲求が満たされない、疎外されるとモチベーションが下がります。実際、モチベーションが高い人がそろっている企業は、これらの欲求を満たすうまい仕組みが作られているんですよね。
『そして、その仕組みを活かす器がオフィス環境なんです。表彰制度などイベント的な仕組みと違い、日常的なことですから、影響の度合いがとても大きい』
人間の基本的欲求=人のモチベーションの源泉
まず、「愛・所属の欲求」ですが、環境が整うとフェイス to フェイスの機会が減り、気を付けないと愛と所属の欲求をまったく満たせない職場になります。
この欲求を満たさないと、モチベーションが下がるだけでなく、メンタルヘルスにも影響するなど、いろんな弊害も出てくるんですよね。
『出社しなくても仕事ができる時代になるとよくいわれていますが、たとえそうなったとしても、オフィスというのは、コミュニケーションの場として決してなくならないと思っています。また、そうなったときにこそ、シンボリックな意味合いも含めて、「愛と所属の欲求」が満たされる場が必要になるでしょう』
二番目の「力・価値の欲求」は仕事の場において非常に影響が強いものです。これが満たされやすい状態はいろいろありますが、自分の仕事に誇りを持てるというのがいちばんです。仕事に誇りを持てない人が高いモチベーションでその仕事に挑むということは絶対にありませんから。
『仕事はもちろん、会社も人に誇れるものでなくてはと思います。取引先やクライアントに来られたら困るという会社もありますよね。それだと社員の潜在意識の中に「うちの会社って」という思いがつのり、外でも力が発揮できなくなる。逆に「ぜひいらしてください」とどんどん人を呼べるような環境だと、社外にも、自信を持って出掛けていけるんです』
また、オフィス環境の整備は、社員の自己重要感や自己価値につながります。経営陣が社員のために環境を整えるということは、社員の価値を認めているという証しになりますから。
『自分が与えられた人でないと与えることができないという大原則があります。自分が大切にされていると感じて初めて、人を大切にしたいと思える。たとえば、「どうすればお客さんのためになるだろう」と考えるようになる。そういう行動になっていくためにも、人に誇れるオフィス作りが必要なんですよ』
プレゼンテーションも、誇れる自社のオフィスで行うのと、相手方に出向いてするのとでは全然違うでしょうね。『アウェイとホームの違いは確実にありますよ(笑)』
三番目の「自由の欲求」もすごく大事です。ところが、「自由を与えると何をするかわからん」と社員を管理しやすいオフィス作り、レイアウトを良しとする発想をいまだに持っている経営者も多い、それでは欲求を疎外するのでモチベーションを下げてしまうんです。
『そうですね。昔は管理して、社員はロボットのように手足を動かしていれば結果がでました。ところが今は手足ではなく、頭をフル回転させなくてはなりません。もし管理されてしまえば、固まってしまって自由な発想なんて出てきやしませんよ』
また、この世の中には無制限の自由というものは存在しません、ある一定のルールがあって、たとえば赤ん坊に与えられる自由はベビーベッドの中だけ。それが三歳児になれば、家の中は自由に動いていいということになる。責任能力は人によって、成長段階によって違いますから、責任能力にくさわしい自由を与えることが必要だと思います。
『それから、一人なら100%自分中心でいいわけですが、二人いるときは自分の自由を主張できるのは最大50%、五人いると20%です。会社は組織ですから、なんでも自由にしていいということになったら、企業は崩壊します。責任と自由というのはワンセットなんですよ。これらをその会社の実情に合わせてオフィス作りをしてこそ、業績があがるんです』
四番目の「楽しみの欲求」というのは今の時代だからこそ重要なことです。今は創造性、クリエイティビティが必要な時代で、何をやるべきかを発見していくには常に探究心がいるわけです。そうすると、好奇心を育むことが非常に重要になる。自分とは違う立場の人とコミュニケーションを取ることによって、好奇心が育まれて新しい発見につながる。そういう意味でのオフィスの作り方というのも一つ重要な要素ではないかと思います。
『みんなが自然に集まってくる空間=マグネットポイントなどを作るとか、部署を超えてみんなが知り合える空間作りが大切ですね』
エール大学では、笑顔がない職場に比べると、笑顔がある職場のほうが生産性が高いという研究発表もされてます。笑いによって楽しみの欲求が満たされるので、モチベーションがあがるんですね。モチベーションが上がればいい仕事をするので、ひいては生産性にも反響してくる。会社の中で笑顔や笑いが起きるような仕掛けや工夫も必要だということです。
『笑いもなんにもない場所で机に向かって「アイディアを出そう」と懸命に考えてもいいアイディアが出てくるはずがない。社内にコーヒーショップやバーカウンターを作ったり、ダーツなどを置く会社もありますが、そういう遊び心があると、余裕につながって人間関係が改善され、アイディアが生み出されることにもなるんですね』
五番目は『生存の欲求」さすがに今の日本のオフィスでは命が脅かされることはほとんどないですが、本当の意味で安全、快適かというと、まだ不十分です。効率性や機能性を追求していて、その辺が欠落しているというケースが多いかもしれませんね。
『パソコンを使う環境などはまさにそうです。文字を書くのとパソコンをするのとでは楽な姿勢が明らかに違うのに、デスクや椅子は以前のままでしょう。みんなパソコンに集中しているからあまり意識していないでしょうが、パソコンがない状態で、この姿勢を一日続けろといわれたら拷問ですよ(笑)。パソコンを長時間使う人は、それに対応した椅子とデスクを使わないと、首や腰、目を悪くしてしまう。今はそういう面の健康のことも考えなくてはいけません』
オフィスは、企業の指針や制度などを活かすための、 箱・器・空間であり「第5の経営資源」である
でも、こうやって見てくるとオフィス戦略というのは、まさに人事戦略であり、経営戦略そのものですね。しかし、そういう発想でオフィス作りをしているところはまだ少ないでしょう。
『格好よくデザインすることだけが社員のモチベーションを上げることだと思っている会社もあります。でも、それだけではなんの役にも立たない』 最初は「いいな」と思っても、すぐにそれが当たり前のことになりますからね。
『私は、オフィスは組織や仕組みを活かす空間だと考えています。企業指針や人事制度など、そのすべてを活かす箱、器、空間でなければいけないと。そのため当社では、まず企業の組織や仕組みをしっかり聞いて、それをバックアップする場としてオフィスを作るんです。仕組みとデザインが連動して初めて、日々の仕事に直結する空間になるんですね。ですから当社ではオフィス環境を、「第五の経営資源」と位置付けています。資源というのは使って、活きるもの。それによって人・物・金・情報すべてが活性化するんだと考えています』
モチベーションを高めるオフィス作りを本気で考えるのであれば、経営戦略からきちっと考えないといけないということですね。
『オフィスを人にたとえると、理念やミッションは心の部分ではないかと考えています。まず心があって、次に頭で経営戦略や仕組みを考えると。でも、心があって、頭が良くても、表情や洋服といった外見がそれに見合ったものでなければ人に対して魅力が出てこない。そういう意味でも、オフィスをしっかりと作ることが必要だと思います。』
|
 |
| 出展:月刊総務 2006.1 |
 |
|
※オフィスは経費ではない!オフィスは戦略投資です! |
|
|
>特集3. 新卒採用・人材獲得とオフィス |
|
 |

|
 |
 |
|
|
|
 |



翔栄クリエイトは「チーム・マイナス6%」に参加しています。

オフィスデザイン・オフィスレイアウト・オフィス移転・オフィスに関するご質問・ご相談は。
tel 0120-053-555
mail info@syouei.net
|







|
|
|
|